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発達障害の子どもにおける運動の重要性 – DCDと小脳の関係を理解する

「うちの子、運動が苦手で…」「体を動かすのが億劫みたい…」そんなお悩みを持つ親御さんは少なくありません。特に、発達性協調運動障害(DCD)を持つ子どもは、運動が苦手で、遊びや学校生活に困難を感じることが多いです。しかし、近年の研究によって、小脳の発達とDCDとの関係が明らかになりつつあります。本記事では、DCDの子どもがなぜ運動を苦手とするのか、小脳の働きとの関連、そして適切な運動療育がどのように子どもの成長を支えるのかを詳しく解説します。

DCD(発達性協調運動障害)とは?

「うちの子、ちょっと不器用?」DCDの定義と特徴

「ほかの子より運動が苦手かも…」そんな不安を感じる親御さんもいるでしょう。DCD(発達性協調運動障害)は、運動の学習や調整が難しくなる神経発達障害のひとつです。例えば、ボタンを留めるのに時間がかかる、縄跳びができない、ボールを投げても狙ったところに行かないなどの特徴があります。DCDの子どもは、努力不足ではなく、脳の特性として運動の調整が苦手なのです。早めに適切なサポートを受けることで、運動能力や生活スキルの向上が期待できます。

運動が苦手な理由は「脳」にある?

「やればできる!」と励ましても、DCDの子どもは思うように動けないことが多いです。その理由は、小脳の発達にあり、小脳をはじめとした運動を司る脳の領域が十分に発達していないことが研究でわかっています。

小脳とは?

  • 運動の調整やバランスを司る脳の部位
  • 新しい動きを学習する機能を持つ

DCDの子どもは、この小脳の働きが弱いため、

  • バランスがとりにくい(転びやすい)
  • 動作の切り替えが遅い(素早く動けない)
  • 手と目の協調性が苦手(ボールをキャッチできない)

しかし、適切な運動を取り入れることで、小脳の発達を促し、運動能力を高めることが可能です。

学校生活や日常での影響 – つまずきやすい場面とは?

子どもが楽しいと感じる運動を取り入れることが大切

学校生活や日常での影響 – つまずきやすい場面とは?

DCDの子どもは、日常生活の中でさまざまな困難を感じます。例えば、

学校のでの困りごと

  • 体育の授業で跳び箱や縄跳びができない
  • 字を書くのが遅く、ノートをとるのに時間が掛かる

家庭での困りごと

  • 食事の時にスプーンや箸をうまく使えない
  • 着替えに時間がかかる

こうした経験が積み重なると、「自分はできない」と自信を失いがちです。そのため、無理をさせず、子どもが「楽しい」と感じられる運動を取り入れることが大切です。

DCDと小脳の関係 – 運動が苦手な理由を脳科学で解明

小脳ってどんな働きをするの?

小脳は、私たちの体の動きをスムーズにする「調整役」です。

小脳の働き

  • バランスを保つ(転ばずに歩く)
  • 動作をスムーズにする(字を書く、ボールを投げる)
  • 繰り返し練習した動きを覚える(自転車に乗る)

DCDの子どもは、この小脳の発達が未熟なため、運動を学習しにくく、新しい動きを習得するのに時間がかかるのです。

研究が示す「DCDの子どもは小脳が未発達?」

最新の研究では、DCDの子どもは小脳の特定の領域(Crus I/II、VI、VIIb、VIIIa)の灰白質が少ないことがわかっています。これは、小脳の発達が通常より遅れていることを示唆しています。

脳の未発達が運動の苦手さにつながる!

  • 体の動かし方をうまく調整できない
  • 新しい動きを覚えるのに時間がかかる
  • 目と手の連携が苦手

しかし、脳は鍛えることができます! 適切な運動をすることで、小脳の働きを高め、運動能力の向上につなげることができます。

DCDの子どもに適した運動とは?

「楽しい」がカギ!DCDの子に合った運動とは?

DCDの子どもにとって、運動は**「できる・できない」ではなく、「楽しめるか」が大切**です。

「できる・できない」ではなく、「楽しめるか」が大切

「楽しい」がカギ!DCDの子に合った運動とは?

おすすめの運動

  • バランスを取る運動(平均台、トランポリン)
  • ボールを使った運動(キャッチボール、ドリブル)
  • 全身を使う運動(ダンス、ジャンプ運動)

まずは、「楽しい!」と感じられる運動を見つけることが第一歩です。

家庭でできる簡単な運動

  • バランスボールに座る(体幹を鍛える)
  • 縄跳びをする(リズム感を養う)
  • 親子でキャッチボール(目と手の協調を高める)

日常生活の中に運動を取り入れることで、無理なく楽しく続けられます。

運動を続けることで期待できる変化

運動を続けることで、以下のような効果が期待できます。

  • 運動能力の向上(バランスがとりやすくなる)
  • 集中力アップ(学習面でも良い影響)
  • 自己肯定感の向上(「できた!」の成功体験)

DCDの子どもが運動を楽しめる環境を整えることが、成長のカギとなります。

FAQ(よくある質問)

Q1. DCDの子どもにスポーツをさせても大丈夫?
はい、大丈夫です。ただし、競争の激しいスポーツよりも、自由に体を動かせるものがおすすめです。例えば、水泳やダンス、トランポリンなどは、小脳を刺激しながら楽しめます。ボール遊びも、勝ち負けを意識せず練習すれば、運動スキルの向上につながります。

Q2. 何歳から運動療育を始めるのがいい?
3〜6歳頃に始めるのが理想的ですが、小学生以降でも効果はあります。幼児期は神経の発達が著しく、この時期に適切な運動を取り入れると、小脳の成長を促せます。年齢に関わらず、楽しみながら続けることが重要です。

Q3. 家でのサポートで気をつけるべきことは?
無理にやらせず、楽しい雰囲気をつくることが大切です。例えば、ゲーム感覚で運動を取り入れたり、小さな成功体験を積ませたりすると、子どものやる気が引き出せます。「できた!」を増やし、運動に前向きな気持ちを持たせましょう。

Q4. どのくらいの頻度で運動させるのが理想?
1日15~30分の運動を習慣化するのが理想ですが、無理は禁物です。週2〜3回でも継続することが大切。学校の体育や外遊びも運動の一環と考え、日常生活の中で自然に体を動かせる機会を増やしましょう。

Q5. DCDの子どもが運動を嫌がる場合はどうすればいい?
まずは楽しい環境をつくることが重要です。好きな音楽を流しながら動いたり、親子で一緒に取り組んだりすると、運動への抵抗感が減ります。また、できたことをほめることで自信がつき、運動に対する意欲が高まります。

 

DCDの子どもは運動が苦手ですが、小脳を刺激する適切な運動を取り入れることで改善が期待できます。「楽しさ」を大切にしながら、家庭でもできる運動を取り入れてみましょう!運動療育に関してへお気軽にお問い合わせください。

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