Q&A

なぜ、発達凸凹の子どもたちに運動が必要なのか?

 

軽度な課題だと「様子見」で終わってしまう子どもたち…

こんにちは!児童デイサービスCREDOで運動療育を担当している髙橋です。

発達凸凹を持つ子どもたちは、失敗経験がとにかく多くなりがちです。また、怒られる機会も多いため、自分に自信がなかったり、自尊心が低下してしまったり、消極的になったり…。

それが学校生活はもちろん、将来的には就労にも大きな影響を及ぼします。

 

『負けた原因はあなたのせい!』

集団活動で負けたときの原因を作ったとして責められる!?

実際に子どもたちの世界で起こっていることです。子どもは時に残酷で、思ったことをすぐに口に出してしまいます。

そのため、発達に特性を持つ(発達凸凹な)子どもたちは、体育や運動あそびの場面では、とにかく上手くいかないことや失敗すること、嫌な思いをすることが多い傾向にあります。

例えば、

  • 鬼ごっこで鬼になると他の子供をなかなか捕まえられない。逃げるときはすぐに捕まってしまい、結果的に鬼の役をし続ける姿がみられる。
  • 縄跳び、跳び箱、鉄棒などの器械運動も苦手で、練習しても上達が遅く、自信を無くす。
  • ドッジボールやサッカーなどの集団活動では、属しているチームやグループの仲間から負けたときの原因を作ったとして責められる。
  • チーム決めで最後まで選んでもらえなかったりすることもあり、疎外感を感じることもある。
実は、このような問題は、昔からありましたよね?

それを『運動神経が悪い』とか、『生まれつきだから仕方がないこと』、として放置されてきた歴史もあるのですが、その背景に神経発達症(発達障害)が隠れている可能性は十分にあります。

運動神経が悪いのは、発達性協調運動障がい(DCD)という発達障害が原因かもしれません。

 

発達性協調運動障がい?それってなんですか?
発達性協調運動障がい(DCD:Development Coordination Disorder)は近年、少しずつ関心が高まっている神経発達症(発達障害)の一つです。なるべく分かりやすくご説明しますね。

「発達性協調運動障害[DCD] 不器用さがある子どもの理解と支援 金子書房」参照

 

運動面で気になる子どもの実態

発達性協調運動障がい(DCD)は、発達障害の中の一つです。運動障害群、つまり運動面に課題がある障害だと位置付けられています。

注意欠如・多動性障がい(AD/HD)、自閉症スペクトラム障がい(ASD)、限局性学習障がい(SLD)との併存性も高いことが知られています。要は、発達障害を抱える子どもたちの運動神経が悪いのはDCDが原因の可能性が高いということです。

 

DCD(発達性協調運動障がい)の子どもたちは、知的能力に問題がなかったとしても、幼児期から協調運動を必要とする日常生活動作が著しく劣る状態にあります。

例えば、不器用さが目立ったり、全身運動がぎこちなかったり、手先の器用さがなかったり…。

 

その結果、成功体験がなかなか得られずに、チャレンジしていく意欲をなくしてしまうかもしれません。私たちは、そこを一番問題視していて、自信を回復させたり、無くさないために運動療育を用いて改善に励んでいます。

 

確かに、うちの子は運動が苦手で、失敗して周りに笑われるのが嫌で挑戦するのも嫌がります。

アスレチックに連れて行っても、怖がったり、遊ぶのを嫌がる遊具もあります。

 

発達性協調運動は、精通した医師に診断してもらって初めてはっきりします。ここでは、発達性協調運動障がいが疑われる症状の中から関連がありそうな実態を簡単に説明します。

まずは、低学年で学校の先生が気になる実態から

低学年

関連がありそうな症状(粗大運動)

  • 姿勢が崩れやすい
  • 長縄跳びでタイミングよく入れない
  • 縄跳びができない
  • 短距離走で加速ができない
  • 転びやすい
  • 力が弱くてふにゃふにゃしてしまう
  • リズム体操・ダンスの振りが覚えられない
この辺りの課題は、あるあるですよね。相談に来られるお母さんからもよく聞かれる悩みです。

また、家庭内では次のような課題も結構多くあります。

 

低学年

関連がありそうな症状(微細運動)

  • 箸がうまく使えない
  • 食事を口からこぼしやすい
  • 文字がマス目からはみ出してしまう

 

その結果、失敗経験が積み重なり、怒られたり、自分のことが嫌いになったり…。その結果、子どもたちは、

低学年

関連がありそうな症状(学校生活全体)

  • 自信がない
  • あきらめやすい
  • 意欲がない
  • おとなしい

 

となりがちです。

小学校では、普通級でなんとかなっていても、3・4年生(中学年)になると、学校生活でも問題がどんどん深刻化するケースも見受けられます。

中学年・高学年

関連がありそうな症状(粗大運動・微細運動・学校生活全体)

  • 水泳でなかなか進まない
  • 動きがぎこちない
  • リズム体操・ダンスの振りが覚えられない
  • プリントがきれいに折れない
  • リコーダーの演奏が苦手
  • コンパスで円を描くのが苦手
  • 友達が少ない
  • 一人でいることが多い
  • 休み時間は教室にいることが多い
  • 体育以外の教科も苦手意識がある
こういったことが積み重なり、最初は、「今日は、学校に行きたくない」と学校への行き渋りが見られ、最終的には不登校になるケースもあります。

 

課題が表面化してくると

関連がありそうな症状(学校生活全体)

  • 朝起きてくると、お腹や頭が痛いと言い、休むことが多くなる
  • 朝なかなか起きれず、時間に家を出ることができないため、車で送ったりしている。
  • 高学年になってから、不機嫌な表情で笑顔が少なくなってきた
  • コロナ禍で自宅で過ごす機会が増えたため、鬱憤が溜まっている
  • イライラ、感情的になることが増え(親子共に)、兄弟喧嘩や親が怒鳴る機会が増えてきた
親御さんも、ダメだと分かっていてもついつい感情的に怒ったり、『子どものため』にと無理に学校に行かそうと頑張ってみたり。

それで親子共に疲れてしまうというケースも見受けられます。

 

もっと発達性協調運動障がいについて教えて!

  • 協調性とはなんですか?
  • 多動性や衝動性のある子どもでは?
  • 情緒面やコミュニケーションにも問題?

 

1. 協調性とはなんですか?

ノートの枠に沿って字を書くために必要な協調性とは?

ノートの枠に沿って字を書くためには、

  • 手と手指のコントロール
  • 姿勢のコントロール
  • 上肢の安定性、筋緊張の調節

などが求められます。つまり、器用にモノを操るためには身体全体と手指を一緒に使う協調性が必要なのです。

このような操作能力は、学習面では『字を丁寧に書くこと』、『作品を丁寧に作ること』、生活面では『指先を力を入れたり、力加減をコントロールする力』となり、物を丁寧に正確に扱う力につながっていきます。また、目と手の協調や手と手指の動きの分化ができないと、学習の達成感が得られにくく意欲が低下することもあります。

 

2. 多動性や衝動性のある子どもでは?

力やスピードのコントロールが苦手

DCDは、AD/HDの30~50%に併存すると言われ、多動性がある子供の半分は協調運動が苦手な傾向があります

多動性や衝動性のある子どもでは、

  • 力やスピードのコントロールが苦手なため物を落として壊してしまう
  • 用紙を破ったりちぎったりしてしまうことがある
  • 自己嫌悪に陥ったり、失敗体験によって嫌になり、物を扱う経験が少なくなりがち

また、触覚過敏がある場合には、持ったり触ったりする行為そのものが不快となり、行為そのものを避けようとする場合もあります。

3. 情緒面やコミュニケーションにも問題?

読み書きや発語など言語に関する困難さ

DCDが疑われる子どもの中には、読み書きや発語など言語に関する困難さがみられることもあります。

そのため、そのままにしておくと、

  • 友達とコミュニケーションを取ることが苦手
  • 情緒面をコントロールするのが得意ではなく、カッとなりやすい
  • 行動上の問題など日常生活全般に影響してしまう

そのため、失敗経験が多くなり、自信や自己イメージや自尊心の低下をもたらし、何かにチャレンジすることへの苦手意識が出てきて、消極的な態度になるかもしれません。

 

周りに理解されない!?運動面の困難さ

お子さんの運動面でこんなことは気になりませんか?

  • 立って靴下を履くときにふらつく
  • 片足で5秒以上立っていられない
  • 平均台をうまく渡れない
  • ボールが狙ったところにいかない
  • ドッジボールで当たりやすく、当てることが苦手
  • 長縄跳びでタイミングよく入れない
  • ラジオ体操のときの動きがぎこちない、ふらつく
  • 運動するときに力が入らず弱々しい感じがする
  • 雑巾がしっかり絞れない
  • ハサミの使用や折り紙が苦手
  • 文字がマス目からはみ出してしまう
  • 食べ方が汚い
これまで上げてきたことが子どもに起こると、本人はかなりのストレスを抱えています。

おまけに運動面の困難さは周囲から理解が得られづらく、時には周りからのからかいいじめの対象となることもあります

 

そのため、DCDなどによる運動面の困難さがある場合は、早期発見、早期支援が大切です!

必要であれば、療育計画をたて、専門機関との連携のもとに療育や訓練を行うことを強くオススメします。

 

育む環境

体を器用に動かすことができるようになるためには、各身体部位が協調しながら動きを調節しあう協調運動が必要です。

協調運動が苦手な子どもたちにとって、運動あそびの中で、平均台、ジャングルジム、前回り、的に向かってボールを投げる、ボールを蹴るなど様々な運動を行うことが、各身体部位の動きを分化させる刺激になると考えられます。


  • step.1

    情報収集

    同じ診断名であっても感覚統合の発達の状態は一人ひとり異なるため、ここの状態に合わせた丁寧な評価が必要となります。


  • step.2

    子どもの遊び方や行動の観察

    ご家族から情報収集をするほか、多くの専門家は実際に子どもと関わりながら運動の器用さ、行動のまとまり、コミュニケーション能力など評価を行います。


  • step.3

    アセスメント(評価・解釈)

    様々なアセスメントを行い、評価結果を整理し、子どもの主訴を中心に感覚統合の発達の偏りが子どもの行動にどう関係しているかを解釈します。

  • step.4

    個別支援計画の作成・運動療育スタート

    評価結果とその解釈を保護者にわかりやすく説明し、個別支援計画を作成します。計画に基づき、実際に放課後等デイサービスでの運動療育(運動遊び)を実施していきます。


 

子どもの自己否定感が強くなる前に

これまであげてきたような運動自体の問題だけではなく、先生に言われた通りに動けない、体育の時間に自分の思った通りにならないと感情が崩れる、ルールに厳格すぎて友達とトラブルになる、じっとその場にいられないなどの行動上の問題も上がり、多くの子どもたちが自己否定的な感情をいただきやすくなります。

 

発達初期のできるだけ早い段階で支援ニーズを把握し、必要な支援を行えることは、子どもの自己評価を低下させることなく、様々な課題への取り組み意欲を構築していくとに関連しています。

 

お子様の実態で気になることがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

今すぐ、相談してみる

 

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