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片付けが苦手な子どもへの運動療育!体と脳を育ててスムーズなお片付け習慣を

「片付けなさい!」と言ってもなかなか動かない、片付け始めても途中で気が散ってしまう……。発達障がいの特性を持つ子どもは、片付けが苦手なことが多く、親としてはどうすればいいのか悩みますよね。実は、片付けの習慣を身につけるためには「脳と体の発達」が深く関係しています。運動療育を取り入れることで、注意力や実行機能が育ち、片付けがスムーズにできるようになる可能性があります。本記事では、運動が脳の発達に与える影響を解説し、片付けが苦手な子どもに効果的な運動療育の方法を紹介します。運動を楽しみながら、片付けのスキルを自然に伸ばしていきましょう!

単なる「怠け」ではなく、脳の特性や身体の発達が関係

発達障がいの子どもが片付けられない理由

 

発達障がいの子どもが片付けられない理由

発達障がいの子どもが片付けを苦手とするのは、単なる「怠け」ではなく、脳の特性や身体の発達が関係しています。まずは、片付けに必要なスキルと、発達障がいの子どもがなぜ片付けに苦手意識を持ちやすいのかを解説します。

片付けに必要な「実行機能」とは?

片付けには「実行機能」と呼ばれる脳の働きが必要です。実行機能とは、「計画を立てる」「優先順位を決める」「注意を維持する」「行動を調整する」といった力のこと。発達障がいの子どもは、この実行機能が未発達なことが多く、次のような困難を抱えやすいです。

  • 何から手をつければいいのかわからない
  • 片付けの途中で他のことに気を取られてしまう
  • 片付けのゴール(終わり)がわからず、途中でやめてしまう

このような特性が、片付けの苦手さにつながっています。

ADHDの特性と片付けの難しさ

ADHD(注意欠如・多動症)の子どもは、注意を持続させることが難しく、片付けの途中で気が散ってしまうことがよくあります。

  • 目の前のものにすぐ注意が向いてしまい、別の遊びを始める
  • 「片付けなきゃ」と思っても、次の瞬間には忘れてしまう
  • 計画を立てるのが苦手で、どこから手をつければいいかわからない

ADHDの子どもにとって、片付けは「つまらない」「終わりが見えない」作業になりがちです。

ASD(自閉スペクトラム症)と片付けの関係

ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは、物の配置や手順に強いこだわりを持つことが多く、片付けに対して独自のルールを持っていることがあります。

  • 「この場所にあるべき」という思いが強く、指示された場所にしまえない
  • 物が多すぎると、どこから片付けていいかわからなくなる
  • 視覚的な整理が苦手で、片付けること自体がストレスになる

このような特性を持つ子どもには、片付けの方法を工夫する必要があります。

運動が脳と片付け習慣に与える影響

片付けが苦手な子どもをサポートする方法として、運動療育が注目されています。運動は単なる体力づくりだけでなく、脳の働きを活性化し、片付けに必要な実行機能を向上させる効果が期待できます。

運動が脳の発達を促す理由

運動をすると、脳内の「前頭前野」と呼ばれる部分が活性化します。前頭前野は、実行機能を司る重要な領域で、運動によって次のような効果が期待できます。

  • 計画力や判断力の向上 → 片付けの手順を考えやすくなる
  • 集中力や注意力の向上 → 片付けの途中で気が散りにくくなる
  • 行動の切り替えがスムーズになる → 片付けの始めと終わりを意識できるようになる

運動療育を取り入れることで、片付けがスムーズにできるようになる可能性が高まります。

体幹の安定が「動作の整理」に役立つ

体幹(胴体の中心部分)の筋肉がしっかりしていると、姿勢を保ちやすくなり、動作の切り替えもスムーズになります。体幹が弱い子どもは、片付けの動作自体が不安定になりやすいのです。

例えば、しゃがんで物を拾い上げたり、箱にしまったりする動作が苦手な子どもは、体幹の発達が不十分な可能性があります。バランスをとる運動を取り入れることで、片付けの動作もスムーズになります。

身体を動かすことで注意力が向上する

運動をすると、脳内のドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質が増え、集中力や注意力が向上します。特に、リズミカルな運動や全身を使う動きは、脳を刺激しやすいと言われています。

片付け前に軽い運動を取り入れることで、気持ちが切り替わり、集中しやすくなる効果が期待できます。

片付けが苦手な子どもにおすすめの運動療育

片付けの習慣を身につけるために、家庭でも取り入れやすい運動療育の方法を紹介します。

片付けに必要な実行機能を向上させる効果が期待できる

片付けが苦手な子どもにおすすめの運動療育

 

片付けのスキル向上に役立つ全身運動

片付けに必要な実行機能を高めるためには、全身を使った運動が効果的です。

  • バランスボール遊び:体幹を鍛えて姿勢を安定させる
  • ジャンプ運動(トランポリンなど):注意力を高め、体の切り替えをスムーズにする
  • かけっこや鬼ごっこ:素早く動くことで判断力や計画力を育む

視覚と身体の協調を育てる運動

視覚と身体の協調を高める運動を取り入れることで、空間認識力が向上し、片付けがしやすくなります。

  • ボール投げ・キャッチ:目と手の協調を高める
  • 風船バレー:動きながら周囲の物の位置を意識する練習になる
  • トンネルくぐり:体の動かし方を学び、物の配置を理解しやすくなる

「遊びながら片付ける」習慣をつくる

片付け自体を「遊び」の一部にすると、子どもが楽しく取り組めるようになります。

  • 「お片付けレース」:タイマーを使って、時間内に片付けるゲームをする
  • 「色分け片付け」:色ごとに分けてしまうルールを作る
  • 「ボールシュート片付け」:おもちゃを箱に投げ入れるゲームにする

このように、運動と片付けを組み合わせることで、楽しみながら習慣化することができます。

 

家庭でできる簡単な運動療育の実践方法

運動療育は特別な道具や広いスペースがなくても、家庭で手軽に取り入れることができます。片付けの習慣を身につけるために、環境づくりや遊びを通じたアプローチを実践してみましょう。

片付けがしやすくなる環境づくり

片付けが苦手な子どもには、「どこに何をしまうのか」が明確な環境を整えることが大切です。収納場所をシンプルにし、「ここに入れるだけ」とわかりやすくすることで、片付けのハードルが下がります。

例えば、おもちゃを種類ごとに収納する場合、ブロックは専用の箱、ぬいぐるみはカゴ、本は棚へと整理し、収納場所に写真やラベルを貼って視覚的にわかりやすくしましょう。収納スペースが子どもの手の届く高さにあると、自分で片付ける意欲を育てることにもつながります。また、片付ける動作自体がスムーズにできるよう、床に散らかりにくい配置を意識するのも効果的です。収納ボックスは移動しやすいものを選び、取り出しやすく戻しやすい仕組みを作ると、子どもがストレスなく片付けに取り組めるようになります。

親子で楽しくできる運動遊び

運動遊びを取り入れることで、片付けのスキルを向上させるだけでなく、子どもが楽しみながら取り組める環境を作ることができます。

例えば、片付け前にジャンプ運動をすることで、気持ちを切り替えやすくなります。「片付ける前に10回ジャンプしよう!」と声をかけると、脳が活性化し、集中力が高まりやすくなります。また、ボールを使った遊びもおすすめです。おもちゃを箱に投げ入れる「シュート片付け」や、「赤いおもちゃを先に片付ける」といった色分け片付けを取り入れると、ゲーム感覚で楽しめます。

片付けを親子で一緒に行うことも重要です。「お母さんはこっちを片付けるから、一緒にやろう!」と声をかけると、子どもも自然と行動に移しやすくなります。

片付けを促す声かけと工夫

片付けが苦手な子どもには、「片付けなさい!」と一方的に指示するのではなく、わかりやすく具体的な言葉で伝えることが大切です。

たとえば、「ぬいぐるみを棚に入れてね」といったシンプルな指示を出すことで、子どもは何をすればよいのかを理解しやすくなります。また、「3つだけ片付けてみよう」と少しずつ取り組むことで、負担を減らすことができます。片付けの時間を決めて習慣化するのも効果的です。「寝る前に片付ける」「遊び終わったら片付ける」といったルールを作ることで、日常の流れに組み込みやすくなります。

さらに、片付けができたら「すごいね!おもちゃをちゃんと戻せたね」と具体的に褒めることが大切です。成功体験を積み重ねることで、片付けに対する意欲が高まります。

FAQ(よくある質問)

Q1. 片付けが苦手な子どもにはどんな運動が効果的?
体幹を鍛える運動や、視覚と身体の協調を促す運動が効果的です。バランスボール遊びや風船バレー、ボール投げなどを取り入れると、片付けに必要な動作がスムーズになります。

Q2. 運動を取り入れてどのくらいで効果が出る?
個人差はありますが、数週間から数ヶ月続けることで、集中力や注意力の向上が期待できます。毎日の遊びの中に少しずつ運動を取り入れることがポイントです。

Q3. 片付けの習慣が定着しないときはどうする?
収納環境を見直したり、声かけの工夫をすることで改善することがあります。「片付ける場所が分かりづらくないか?」「片付けの手順が複雑すぎないか?」などをチェックし、子どもが迷わずできる環境を作ることが大切です。

Q4. 家の中でできる運動療育にはどんなものがある?
片付け前のジャンプ運動や、トランポリン遊び、ボールを使った遊びなど、広いスペースがなくてもできる運動がたくさんあります。リズムに合わせて動く遊びも効果的です。

Q5. 片付けを促すために親ができる工夫は?
視覚的な支援(ラベルや写真)を活用することや、ゲーム感覚で片付けをすることが効果的です。また、「3分だけ片付けよう」など短時間の目標を設定すると、子どもが取り組みやすくなります。

 

発達障がいの子どもが片付けを苦手とするのは、脳の特性や身体の発達が関係しています。運動療育を取り入れることで、注意力や実行機能が向上し、片付けがしやすくなる可能性があります。家庭でできる工夫として、視覚的にわかりやすい収納を整えたり、片付けの手順をシンプルにすることが挙げられます。また、親子で楽しめる運動遊びを取り入れることで、遊びながら片付けのスキルを育てることもできます。

片付けを無理なく習慣化するためには、子どもが「できた!」という達成感を味わえる環境づくりが大切です。運動を通じて、子どもの成長をサポートしながら、楽しく片付けを身につけていきましょう。発達障害に関してお気軽にお問い合わせください。

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