就職に不安…、どのような仕事なら務まるのか…
お子さんに障害があると、どのような仕事なら務まるのか、受け入れてもらえる会社はあるのか、収入は、生活面は大丈夫かなど、様々な不安があるかと思います。こういった問題は不安こそあれども先送りにしてしまう傾向が強いため、いざ我が子が働く年齢になった時に困る方も多いようです。
就職に向けての主な相談先は?
主な相談先
- ハローワーク
- 障害者就業・生活支援センター
- 市区町村の窓口、民間の相談支援事業者
- 地域障害者職業センター
特別支援学校の生徒であれば、その学校の就労支援が受けられますが、そうでなければ本人や家族が就職相談ができる機関からアドバイスをもらうことができます。
ハローワーク
ハローワークでは、求職の登録をしたのち、技能や職業適性、希望職種などに基づき、職業相談や仕事の紹介をしてくれます。
ポイント
仕事に関する相談や仕事の紹介
- 障害者を対象とした求人の紹介
- 仕事の探し方や履歴書の書き方の説明
- 適職についてのアドバイス
- 職業訓練できるところの案内
- 求人の応募に際し、配慮を必要とする内容を事業者に伝える
- 希望によっては、採用面接に同行する
- 就職が長続きするための支援など
障害者就業・生活支援センター
仕事をしながら自立した生活が送れるよう、福祉や教育など地域の関連機関と連携して就業と生活の両面での支援をする機関です。
ポイント
就労に関する様々な相談支援
- 準備訓練や職場実習の斡旋など、就職準備の支援
- 求職活動への同行
- 事業主に対して、雇用した障害者の特性などを助言する
- 就労のための日常生活に関する支援(福祉サービスの活用や、医療機関などとの連絡調節、グループホーム居住支援など)
- 生活習慣、健康管理、金銭管理など自己管理に関する助言
- 雇用後の職場訪問や面談
- 雇用後の相談支援 など
市区町村の窓口、民間の相談支援事業者
就職に向けて受けられる支援制度に関する情報や、専門機関の紹介など、就職について具体的なプランがない場合などの入り口としても利用できます。
ポイント
障害者相談支援事業
- 福祉サービスに関する情報提供や相談
- 社会生活力を高めるための支援
- 同じような状況にある人同士による課題の解決(ピアカウンセリング)
- 権利擁護のために必要な援助
- 専門機関の紹介 など
※市区町村によって業務内容が異なる。
地域障害者職業センター
身体障害・知的障害のある人だけでなく、他の機関では支援が難しい精神障害・発達障害・高次脳機能障害などのある人の支援にも対応が可能です。
ポイント
職業カウンセリングや職業評価
- 希望する職業に適応する能力などを評価し、職業リハビリテーション計画を立てる
- センター内で作業体験や職業準備講習、社会生活技能訓練を行い、能力の向上を図る
- 精神障害のある人に対して、医療関係者と連携して専門的で総合的な支援を行う など
就労移行支援について
障害者総合支援法による「就労移行支援」というサービスがあります。サービスを提供する就労移行支援事業所や企業に通いながら、就職のための訓練を行ったり、職場探しをサポートしてもらいます。
※サービスの利用期間は原則2年以内です。
※市区町村審査会の個別審査による必要性が認められた場合は、最大1年間の更新が可能です。
就職のための訓練から就職後まで支援するサービス
- サービスを提供する就労移行支援事業所内や企業で作業や実習を行い、職場で必要な知識や能力向上のための訓練を受ける。
- 求職活動に関する支援を受ける。
- 障がいの特性に応じた職場を開拓してもらえる。
- 就職後、職場に定着できるように、相談などの支援を受ける。
就労移行支援の期間内(2年以内)に就職が決まらなかったら?
就労支援継続サービスを受けることができます。このサービスにはA型とB型の二種類があります。
就労継続支援A型
事業所と雇用契約を結んで(最低賃金以上)、働きながら支援を受ける
- 就労移行支援を受けたが、企業などの雇用に結びつかなかった人
- 特別支援学校を卒業して就職活動を行なったが、企業などの雇用に結びつかなかった人
- 就労経験はあるが、現在、企業などに雇用されていない人
就労継続支援B型
年齢や体力、障がいの程度などの理由で、雇用契約を結んでの仕事が難しい人が対象。
- 就労経験はあるが、年齢や体力的な面で一般企業で働くことが難しくなった人
- 50歳に達している人
- 障害基礎年金1級を受給している人
- 就労移行支援事業所などの評価によって、働くことに課題があると判断された人
こういった求職活動中をサポートするサービスや移行支援が終了後に受けられるサービス、さらには就職した後に受けられる就労定着支援などのサービスもあります。
福祉サービスを利用されたことがない方は、こういった支援を受けられるにもかかわらず、存在を知らなかったり、どこに相談して良いか迷われていたりして、サービスを受けられていないケースも見受けられます。
※参考文献:「障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて 渡部伸監修 自由国民社」