学童保育と放課後等デイサービスの特徴
「小1の壁」に対応するために民間の学童と放課後等デイサービスが増えています。
学童と放課後等デイサービスの特徴を比べたところ、その違いはさまざまです。
学童と放課後等デイサービスの違い
学童とは、「放課後子どもクラブ(学童保育クラブ)」と呼ばれ、「放課後児童支援員」などの職員が常駐し、運営されています。
放課後子どもクラブ(学童保育クラブ)とは?
保護者会が主体となり、民家や専用室などで小学生に健全で、有意義な放課後を過ごしてもらうための施設で、その活動は児童福祉法第6条の3第2項に位置づけられています。
ポイント
- 対象
共働きなどのため昼間に保護者が自宅にいない小学生
- 預かり時間
平日は下校時から18時。土曜日は9〜17時。
- 過ごし方
基本的には安全が確保された中で、子どもが自由に遊ぶ。その施設ごとに様々なイベントを開催したりといったことも行われる。
- 料金
各放課後児童クラブ(学童クラブ)により料金は異なります。
放課後等デイサービスとは?
障害のお子さんの保護者のニーズに応え、子どもたちに対する療育を行うために、NPO法人や社会福祉法人、民間企業などが運営し、全国的に増えています。
ポイント
- 対象
親の就労の有無は問わず、障害のある小学校1年生から高校3年生。定員10名
- 預かり時間
平日は下校時から18時まで。祝日・学校休業日は10〜18時。学校から放課後等デイサービスまで車での送迎がある場合があります(送迎が可能かどうかは各施設までお問い合わせください)
- 過ごし方
個別支援計画に基づく療育プログラムや学習指導、集団遊び、運動遊びなど障害のある子や発達に特性のある子供のためのプログラムが提供されている。
- 料金
サービス利用料金の9割を自治体が負担。利用者の負担は1割。
負担額については世帯の収入毎に上限月額がある。
放課後等デイサービスとはなんですか?
2024/4/29
放課後等デイサービスは、6〜18歳までの障害のあるお子さんや発達に特性のあるお子さんが、放課後や夏休みなど長期休暇に利用できる福祉サービスです。 個別の発達支援や集団活動を通して、家と学校以外の居場所 ...
放課後等デイサービスの特徴
学童にはない放課後等デイサービスの特徴とはなんでしょうか。厚生労働省が出しているガイドラインによると、放課後等デイサービスには3つの基本的役割があります。
- 子供の最善の利益の尊重
- 共生社会の実現に向けた後方支援
- 保護者支援
子供の最善の利益の尊重
放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害を抱えた子どもたちに対して、学校や家庭などとは違った時間や空間を提供し、そこで関わる人たちとの交流を促進します。
また、そうした体験を通じながら、個々の子どもの状況に応じた発達支援(生活能力向上のために必要な訓練、社会との交流の促進等)を行うことで、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図ることが期待されています。
共生社会の実現に向けた後方支援
障害を抱えた子どもたちや発達に特性のある子どもたちの地域社会への参加・包容(インクルージョン)を進めるため、他の子どもも含めた集団の中での育ちをできるだけ保障する視点が求められています。こうした経験を子どもたちに補償するために、専門的な知識や経験に基づいて支援を行うことこそ、共生社会の実現に向けた後方支援の目的です。
子どもたちが地域において健全に発達していけるよう、障害のある子どもたちを支援する専門機関としての働きが求められています。
保護者支援
放課後等デイサービスは、保護者が障害のある子どもを育てることを社会的に支援する側面もありますが、子育ての悩みを相談できたり、子どもの育ちを支える力をつけられるよう支援したり、保護者の時間を保障するために、ケアを一時的に代行する支援を行なったりすることも期待されています。
これらの支援によって保護者が子どもに向き合うゆとりと自信を回復することも、子どもの発達に好ましい影響を及ぼすものと期待されています。
参考
放課後等デイサービスの中には「ただのお預かりになっているのではないか?」と指摘を受ける施設もあります。それでは放課後等デイサービスとしての本来の役割を果たせているとは言えません。
そのため、利用契約に至る前に、施設見学や体験を通じてお子さんに合った療育が受けられるのかどうか見たり聞いたり、相談したりしながらじっくり決めていただくことが肝要です。
ぜひ、お子さんに合った放課後の居場所を探す手がかりになれば幸いです。